郊外の家を買って長距離通勤すると、将来の年金は増えて今の税金は減る
結婚して子どもができたら、教育面や住居費の面から郊外の家を買って、お父さんは長距離通勤に耐えながら定年まで働き、お母さんは専業主婦として家事・育児を担う。
これが昭和後期に想定されたモデルケースですよね。
実際には様々な家庭があったでしょうが、東京近郊だとよくあるパターンだと思います。
現在でも結構こういうタイプの家庭も多いんじゃないでしょうか。
そして、長距離通勤すると、年金増額と税負担軽減効果があるんです。
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通勤手当の分だけ年金保険料が上がる→将来の年金増
多くの会社では、電車通勤の場合に通勤手当が支給されるため、正社員であれば通勤費は会社負担です。
従って、通勤時間は長くなるものの、通勤費の負担がなければ、土地の安い郊外に家を買ったほうが広い家に住めるわけです。
しかも、会社員が加入する厚生年金では、保険料は給料だけでなく、通勤費も合計して保険料を算出するため、同じ給料でも通勤費が多い人のほうが保険料が高くなります。
「年金の保険料が高い」=「給料から天引きされる金額多い」ので、損する気持ちになりますが、実際には将来の年金額が増えますし、しかも保険料の半分は会社負担ですから、オトクともいえるわけです。
※将来の年金が増える分のうち、半分は会社が負担しているということ。
年金保険料が高い=控除が多い→今の税金が下がる
しかも、支払った保険料は社会保険料控除の対象ですから、保険料が高い分、給与収入から差し引ける控除額も多くなり、結果として今支払う税金は少なくなります。
「年金の保険料を多く払うか、税金を多く払うかの違いでしょ」と思う人もいるかもしれませんが、保険料と税金ではメリットが全く違います。
税金をいくら多く払ったところで、特に自分にためには返ってきません。
社会全体に使われるので、世の中のためにはなりますが、直接自分にメリットがあるようには感じにくいです。
しかし、年金の保険料を多く払うと、将来の老齢年金は当然として、もし自分に何かあったときの遺族厚生年金も増えます。
つまり、直接自分や家族にメリットがあるんですね(もちろん、将来年金制度がどうなるかはまた別問題ですが)。
とはいえ、通勤手当で劇的な金額の違いがあるわけではない
仕組みとしては上記のようになっていますが、実際には保険料の算出は一定の幅で丸めて算出しますし、税率だって通勤手当ぐらいで大きく変わるものではないため、長距離通勤する人と、比較的短距離通勤の人とで大きく保険料や税額が変わるわけではありません。
ただ、ややこしい年金や税金のお話も、こういった切り口で捉えると、分かりやすいんじゃないでしょうかね。
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