零細業者は事業のカニバリズム（共食い）を恐れないほうがいい

カニバリズムとは共食いのこと（カニは無関係ですｗ）。

事業のカニバリズムとは、新しい技術や業界が登場したことで、自社もそれらの技術や業界に参入しようとするも、それまでの自社の事業と競合してしまうことをいいます。

例えば、音楽業界がCD売上の低下を恐れてダウンロード販売に乗り出せなかったり、出版業界が紙の本の売上低下を恐れて電子書籍販売に踏み出せなかったことなんかが当てはまりますね。

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カニバリズムを懸念するのは大きな企業だけでいい

ただし、この共食いは零細事業者はあまり気にしなくても良さそうです。

というのも、事業者としての規模が小さければ小さいほど、利害関係者は少なくなり、一番小さければ影響は自分だけ。

つまり、「共食いになっちゃったら、やめればいい」だけ。
自分がやめたところで誰も困りませんし、また元の事業を続けて次のチャンスを探せばいいだけなんですよね。

ところが、これが事業者の規模が大きいと、共食いになったときの利害関係者が多過ぎて、「ダメだったらやめればいい」とは気軽にできません。
だから大企業はフットワークが悪くなっちゃうんです。

中小零細事業者には利害関係者が少ないんですから、共食いだろうがどんどんチャレンジして、次の金の卵を常に探すことが重要なんでしょうね。

無料サイト（広告）→PDF販売→アプリ→電子書籍

なんでこんな話をするかというと、自分のFP過去問解説でも同じことを感じたからです。

当初からFP過去問解説サイトは無料公開して、広告収入で稼ごうと思っていましたが、何とか無料公開した解説文を有料販売して収益できないかと考えていました。

そこで、最新2回分は有料とし、それ以前は全て無料PDFとしてみたんです。

これも、もしかしたらみんな無料PDFばかりダウンロードして、最新2回分は無料サイトを見るだけで、結果的に広告収入は減って有料PDFは全然売れないかも…という懸念がありました。

同様に、過去問解説をスマホアプリ化したり、電子書籍化したりもしていますが、これらはAppleやGoogle、Amazon、そしてアプリ制作会社さん等への手数料負担が発生するため、自サイトでのPDF販売よりも条件はかなり不利になります。
みんながアプリや電子書籍ばかり購入したら、自サイトで販売するよりも利益が減っちゃう恐れがありました。

しかし、結果的にはどれもお互いに共食いすることなく、全体として売上は増加しています。
結局それぞれ微妙に客層が違うんでしょうし、そもそも共食いとか気にするレベルの売上じゃないのかもしれませんけど。

事業の核は普遍的、収益を生み出す媒体は変化自在に

結局、世の中に価値を生み出す事業の核そのもの（私でいえば解説作成）は普遍的ですが、その事業の核をどのように収益化するかは、時代の変化に合わせていくことが必要なんでしょうね。

FP試験マンガ！で漫画部分を担当してもらっている忍田先生も、ネットに漫画を公開することについては、出版社の人から「どんどんやって名を売ってください」と言われたそうです。

出版社のほうも、自社関連のコンテンツをネット上に載せられるのは困るでしょうが、そうでなければどんどん公開してもらって、漫画家さんの露出が増えて欲しいんでしょうね。

Googleでも有料で広告非表示にするサービスが始まったりしており、今後も収益手段は変わっていくでしょうから、その流れについていきたいものです。